このブログにも題してあるアングラ=アンダーグラウンドってなんだろう?
とりあえずサブカルチャー的な音楽がアンダーグラウンドミュージックというカテゴリーに入ってきそうだが。。
自分を含め、この言葉に対して定義を率直に答えられる人は少ないと思う。
簡単に売れているか、売れていないかという指標だけを頼りにしてしまうのはナンセンスだ。
アンダーグラウンドの歴史
まずは言葉の歴史から紐解いてみよう。
ということでWikiってみました。
アンダーグラウンドはサブカルチャーの総称とあったので、サブカルチャーからの引用。
サブカルチャー (subculture) とは、ある社会で支配的な文化の中で異なった行動をし、しばしば独自の信条を持つ人々の独特な文化である。
社会の支配的な文化(メインカルチャー)に対する、マイノリティの文化事象を指す言葉として使われている
重要だと思われる部分を抜粋してみた。
前者はとてもしっくりくる内容だと思う。
しかし、後者にいたっては誤解を招いてしまいやすいのではないだろうか?
間違ったアンダーグラウンドの使い方
例えば、自分のやっている音楽が売れなかったときの言い訳としての「アンダーグラウンド」という逃げ道的な表現として用いられることがある。
売れてしまえば自他共に認めるオーバーグラウンドになってしまうかもしれないが、生え抜きのミュージシャン達は誰もが同じように狭いライブハウスだったはずだ。
売れない理由を「オレたちアングラだから」とか言っているのはカッコ悪い。都合の良いときだけその言葉を使用することはやめておこう。
アンダーグラウンドミュージックとは
文字通り地下の音楽かもしれない。表舞台には立たなくても、現に売れているプロ達よりも上手いミュージシャンがいっぱいいる。
売れてはいないかもしれないが現場が上手なのだ。
織田裕二の「踊る大捜査線」で彼が言っているでしょ?。
「事件は現場で起きているんだ!」
まさにそれの音楽版である。
クラブDJの世界が良い例だと思う。
たまに「DJなんて人の曲を上手く繋いでかけるだけでしょ?」と、恥ずかしい発言をネットなどでみかける。
たしかに1ヶ月も練習すれば小学生だってそれなりにできるかもしれない。
卵焼きを例にとって説明しよう。
まず母親に教わる料理として卵焼きは基本だろう。
まず卵をといて、フライパンを火をかける。出汁で下味をつけたり、ネギを入れてみたりするのは選曲の作業と一緒だ。
下味をつけたらフライパンにオン。巻き巻きする。その作業も一気に溶き卵をぶちまける人もいれば、職人さんみたいに少し入れて巻いて、、また少し入れて巻いてと巻く作業だけでも無数にあるはずだ。それがDJでいうと繋ぐ作業に等しい。
そしていざ完成!皿に盛って客に食べさせる。
するとどうだろう?客は違う卵焼きを作れとリクエストしてくる。その繰り返しだ。
また下味をつける作業から始まって巻く作業に入る。べつに、だし巻き卵と限定されているわけではないので時にはスクランブルエッグにしてみたりと、タイミングを見て裏切っていかないと客も飽きる。
そうして卵焼きでお腹いっぱいにして自宅に帰すことができたら成功だ。
料理の世界には正解はない。焦げた卵焼きもたしかに卵焼きであることに変わりはないが、それでは客が食べることもなく帰ってしまうだろう。
「DJなんて誰だってできるよ」と言っているヤツに限って焦げた卵焼きを平然と作るのだろう。もしかしたら「ピカソって絵が下手だよね?」とか言っているかもしれない。
当たり前だからドヤってそんなことを言うのはやめておこう。問題はあれだけの客を集められることと、客を飽きて帰らせないように何時間もプレイし続けることができるかどうかだ。そんなことを言ってしまうとただの僻みにしか感じない。
話をもどそう。そんなDJの中でも曲をリリースして売れた人もいるが、曲を出しているわけでもないのにプレイのみが評価されて世界を飛び回る人がいる。
その後者が現場のプロだと思う。
バンドでも近いことが言えるだろう。良い曲をリリースしているが、現場が下手なプレイヤーがいる。
逆に言うと、曲はそれほど良く感じなくてもライブでの熱気がハンパないのは現場のプロだと言える。同じ曲でも良く聴こえているはずだ。
つまり良い曲をリリースしていて現場でも上手いミュージシャンがアンダーグラウンドでもオーバーグラウンドでも評価されるわけだ。
現場で最高のグルーブを生み出すことのできるプレイヤー
結論づけると、地下のように広くはない空間でグルーヴをつくりだせるプレイヤーがアンダーグラウンドミュージックと言えるのではないだろうか?
テレビや広くて予算のかかっているものは、同じ現場だとしても演出によって得られている効果が大きい。まさにオーバーグラウンドだ。
シンプルで、目で視認できる範囲で演奏やプレイによってのみグルーヴを感じさせることができるミュージシャンはアンダーグラウンドのプロだと思われる。
そう結論づけてみた。
現場は唯一音楽を体感できる場所である。ただ家で聴いたり、カラオケで歌ってみたりするのも音楽に変わりはないが一体感を感じることができる楽しみはかけがえのないものである。
最後に、長々とお付き合いありがとうございます。